レアール法律事務所ブログ

秋葉原にあるアットホームな法律事務所です。日々の出来事や、法律に関してなど綴ります。

-法律コラム

絶対ダメ!名義貸し

弁護士の櫻田です。

 

相談を受けたり、事件を処理したりしていると、

①依頼者から、他人に名義を貸してローン契約をしてしまった

②相手方から、自分は名義を貸しただけなので責任はない

といった話や反論を受けたりします。

稀な話ではなく、残念ながら頻繁にあることです。

 

名義貸しの経緯として、騙されたとか、強迫されたなどということがあれば、

法律構成上は、名義を貸した人の責任が否定される可能性もないとは言えません。

しかし、詐欺や強迫の証明はなかなか難しく、訴訟などで立証するのは骨が折れます。

 

詐欺や強迫のケースでもこうなのですから、自らの真意で名義を貸した場合には、

発生したトラブルの結果について責任を免れることはほぼ不可能です。

 

結局、

①名義を貸した依頼者は、ローン契約の債務者として返済義務を負担する

②名義を貸しただけだから責任はないという相手方の反論は通らない

ということになります。

 

さらに、名義貸しの責任は民事上のものにとどまらないこともあります。

事情によっては、詐欺罪等の刑事処罰を受けることもあり得ます。

 

言わずもがなですが、名義貸しは絶対にダメです。

確かに、トラブルがなければ、実害は発生しないかもしれません。

しかし、名義の貸し借りをしなければならない状況というのが、そもそも通常ではありません。

むしろ、名義の貸し借りをしなければならない事情がある以上、後日、トラブルが発生するものと考えるべきです。

 

名義貸しの事実があっても、相手方であれば、責任追及の手を緩めるわけにはいきません。

依頼者であれば、可能な限り弁護はしますが、なかなか責任ゼロという結果にはなりません。

 

自分のため、大切な周りの人のために、安易に名義貸しをするのはやめましょう。

 

特別代理人

弁護士の櫻田です。

 

今回は、最近取り扱った案件から、「特別代理人」の話を。

 

この案件は、

法人を相手に訴訟を提起したいのだけれど、その法人の代表者が亡くなってしまった。

その法人は、代表一人の会社で、他の役員もおらず、従業員もいない。

つまり、実質的に、法人に関与する人がまったくいない。

という状況でした。

 

法人に訴訟を提起する場合、訴状の被告の標記には代表者を特定する必要があり、当然、その代表者には法人の代表権を行使することが前提となっています。

 

では、法人の代表者が不存在又は代表権を行使できない場合、その法人を被告として訴訟を提起することはできないのでしょうか?

訴訟提起ができなければ、問題が停滞して、損害が発生・拡大することも懸念されます。

 

民事訴訟法では、この点についての対応が規定されています。条文を引用してみましょう。

 

37条】「この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。」

351項】「法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。」

 

つまり、代表者が不存在の法人を相手に訴訟を提起する場合、遅滞のために損害を受けるおそれがあることを疎明した上で、その法人の「特別代理人」の選任を申し立てることができ、その特別代理人が法人の訴訟行為を代理することで、結果的に、その法人に対する提訴をすることができるのです。

 

選任の申立てをしなければならない点、事前に特別代理人が誰になるか分からない点(多くの場合、名簿に登録された弁護士が選任されることと思いますが)、一定額の予納金を納めなければならない点などで、やや面倒ですが、訴訟提起ができない不利益を解消できるので、この制度に利用には前向きに取り組むべきでしょう。

 

この法人のケースは、民事訴訟法の規定の関係(37条が351項を準用している)からすると、応用的なケースです。

基本的には、訴訟能力がない個人の場合を見据えて設計されています。

 

個人の典型的なケースが、認知症などで訴訟能力がない個人に対して訴訟を提起したい場合などでしょう。

認知症の方に成年後見人を就けてもらうことも考えられますが、外部の人間がそれを主体的に導くことは極めて難しい。

なので、この特別代理人の制度があるわけです。

 

では、今回はこの辺で。

 

ADR(裁判外紛争解決手続)

弁護士の櫻田です。

 

突然ですが、紛争解決の手続として、当事者間や代理人による話合いを除いて、
どのようなものがあるかご存知でしょうか?

 

真っ先に思いつくのは、やはり裁判所による裁判手続でしょう。

裁判所で、調停や訴訟などをして、解決を図らなければならないことも多いでしょう。

 

ですが、何も裁判所の裁判手続でなくても、第三者の力を借りて紛争を解決する手段はあります。

いわゆる「ADR」と呼ばれているものです。

ADRとは、裁判外紛争解決手続のことで、「Alternative Dispute Resolution」の略語です。

 

ADRにも、あっせん、調停、仲裁などの種類があります。

また、その実施機関も様々です。

私は、弁護士なので、代表的なものとして、弁護士会の紛争解決センターがまず挙がりますが、

司法に関連する機関のほかにも、

国民生活センター、原子力損害賠償紛争解決センターなどの行政機関や、

交通事故紛争処理センターや日本スポーツ仲裁機構などの民間機関にも、

第三者の紛争解決機関があります。

 

こうしたADRの活用は、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(いわゆるADR法)により、
その促進が図られています。

 

裁判手続と比較したADR利用の利点としては、ざっくりいうと、

①専門家による手続を気軽に利用できる

②費用負担が抑えられる

③非公開で秘密裏にできる

④柔軟で納得のいく解決を図ることができる

などといったところでしょうか。

 

要は、訴訟などの裁判手続のように、解決内容が厳格に限定されていないし、
事件の種類に応じて専門家が関与してくれるので、証拠で白黒を決めるのではなく、
協議によって納得がいく解決を期待できることになります。

 

とはいえ、ADRで紛争解決が図れないと、
次の手段として、やはり裁判手続の利用を検討しなければならないので、
それならば、「初めから裁判をしてしまってもいいのでは?」と思うこともあるかもしれません。

 

ちなみに、最近、とあるADRの代理人をしましたが、その案件では幸いにも和解が成立し、
裁判に移行することもなくなったので、結果としてはよかったと思います。

 

ともあれ、弁護士としても、最善の解決を図る上で、
ADRは選択し得る手段の一つであることにも間違いがありません。

 

相続は突然に

弁護士の櫻田です。

 

不意に身内で相続が発生し、その対応に追われています。

 

人が亡くなると、残された家族は、まず葬祭の対応をする必要があります。

葬祭を主催する家族は、感傷に浸っている暇などないと思います。

亡くなって数日のうちに、お通夜・告別式を済ませ、

その後、立て続けに、納骨、初七日、四十九日など法要が目白押しです。

常日頃、身内の葬祭の準備をされている方などほぼいないと思いますので、

葬祭の規模の大小はあるものの、どのような規模でも、葬祭を主催される方は

心身共に大変なご負担かと思います。

 

葬祭とは別に、法的には、相続のことを考えなければなりません。

相続で初めに一番重要かつ困難なことは、相続財産(負債)の調査でしょう。

 

個人の財産は、家族といっても、なかなか把握していることは少ないでしょう。

どこの金融機関に口座を持っているとか、その保険に加入しているとか、

遺品を整理しながら、いろいろな書面や物を手掛かりに調査しなければなりません。

この調査は本当に大変なことです。

 

負債がある場合などは、さらに深刻です。

財産よりも負債が超過するようだと、相続放棄の検討もしなければなりません。

相続放棄は、原則、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述を

しなければなりません。

期間の延期をする申し立てることもできますが、
いずれにせよ、調査をして放棄するかどうかを判断せざるを得ません。

相続放棄は、撤回することができないので、慎重な対応が必要です。

 

人は誰もが死ぬものです。

しかも、大抵の場合、自分がいつ死ぬかは予測ができません。

個人・家族の事情はそれぞれで、他人がとやかく言えることではないですが、

自分が死んだ後、残された家族らが安心して弔いをすることができるよう、

例えば、近親者と情報共有したり、エンディングノートを作成したりするなど、

万が一の備えをしておいてはいかがでしょうか。

思い立ったときが吉日です。

 

アディーレ法律事務所の業務停止処分

弁護士の櫻田です。

 

公私とも、忙殺されております。

心身の健康に気を付けて、何とか乗り切りたいところです。

 

そんな中、先日、弁護士業界に衝撃的なニュースがありました。

テレビCMなどで有名なアディーレ法律事務所が、

東京弁護士会から2ヶ月間の業務停止処分を受けたとのことです。

 

他所の事務所様のことなので、本来であれば、私などが口を挟むことではないのですが、

当事務所にも、アディーレ法律事務所と委任契約をされていた方々からの相談が相当数あり、

もはや他人事ではなくなっています。

 

部外者ですので、アディーレ法律事務所の委任契約の内容は存じ上げませんが、

一般的には、弁護士法人ですので、委任者の方は法人契約をされているはずです。

とすると、今回、法人が業務停止処分を受けていますので、当該法人との委任契約は

解除になるでしょう。

 

情報筋によると、アディーレ法律事務所では、法人契約に併せて、

担当弁護士等も個人で共同受任をしていたようなので、

理屈上は、その共同受任弁護士個人が業務停止処分を受けていない限り、

その共同受任弁護士個人との委任契約は解除されないように思えますが、
弁護士会としては、解除されるべき法人契約を個人契約として引き継ぐことも
禁止しているはずです。
業務停止処分の潜脱を禁止する趣旨でしょう。

 

こうしたことから、アディーレ法律事務所では、同受任弁護士個人との委任契約も含めて解除する
という扱いをするようで、すべての委任契約は白紙になるでしょう。

 

アディーレ法律事務所としても、すべて委任契約を解除した上で、

①依頼者本人で対応してもらう

②別の法律事務所の弁護士に依頼してもらう

③アディーレ法律事務所所属の弁護士個人に改めて委任してもらう

という対応を案内しているようです。

 

業務停止処分なのでやむを得ないとはいえ、依頼をしていた方々にとっては大変なことで、

同じ弁護士として、おかけする言葉も見つかりません。

また、勤務していた弁護士や事務員の処遇はどうなるのでしょうか…。
 

私としては、今後も、本件の推移を注視して、本件でご相談いただいている方々への対応も含めて、

できる限りのことはしていきたいと考えています。

 

東京弁護士会の臨時相談窓口もパンク状態のようなので、

何かありましたら、お気軽にご相談ください。

 

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