レアール法律事務所ブログ

秋葉原にあるアットホームな法律事務所です。弁護士や事務員が日々の出来事や法律に関する記事を投稿します。

-法律コラム

相続問題が関連する案件が増えています

弁護士の櫻田です。

 

残念ながら、人は必ずいつか亡くなるものですが、法的には、人が亡くなると、相続が発生します(民法882条)。

 

もちろん、当事務所では、遺産分割、相続放棄など、直接相続に関連する案件も広くお受けしています。

 

しかし、最近、例えば、借金問題など直接相続に関連しない案件で受任して、その後に、当該案件について、相続問題が発生することが多くなっています。

依頼者様ご本人が亡くなられたり、依頼者様のご家族が亡くなって依頼者様が相続人となったりするなど、相続に関するご相談が増えています。

 

弁護士としては、受任した事項に関して代理権がある(例えば、債務整理であれば、債務整理に関する代理権のみ)ので、当初から依頼を受けていない相続問題について、直ちに代理人として活動することはできません。

そうはいっても、私としては、相続問題は、例えば、債務整理であれば、その問題と密接に関連するので、直接依頼を受けていないからといって、無関与でいることはできません。

直接依頼を受けるかどうかは別にして、少なくとも、問題の概要や採るべき手段についてアドバイスはさせていただきます。

そして、アドバイスをさせていただいた上で、場合によっては、別途、相続問題について依頼を受けることもいたします。

 

このように、当事務所としては、受任後に発生した受任外の相続問題についても、トータルサポートをさせていただいておりますので、ご安心して相談いただければ幸いです。

 

今時の法学部生は法曹を志望しない!?

弁護士の櫻田です。

 

報道によると、

730日の法科大学院等特別委員会において、東大・京大など全国38大学の法学部に在籍する14年生までの学生を対象に文科省と法務省が実施した「法曹志望に関するアンケート」の調査結果が報告された。

●将来の第一志望の職業は?

①国内企業:27.5%

②地方公務員:24.4%

③国家公務員:16.3%

④法曹等:13.2%

●法曹等を志望する人の不安や迷いは?

①司法試験に合格できるか、自分の能力に自信がない:64.0%

②自分に法曹等としての適性があるか分からない:43.1%

③他の進路(例えば国家公務員や民間企業、研究職等)にも魅力を感じている:37.0%

④大学卒業後、法科大学院修了までの経済的な負担が大きい:27.9%

●法曹等の仕事に魅力を感じない理由は?

①体力的・精神的に負担が大きい仕事だと思うから:58.4%

②訴訟対応が仕事の中心で活躍の場が限られている仕事だと思うから:24.3%

③ワークライフバランスの実現が困難であると思うから:20.7%

④経済的に安定していないと思うから:11.0%

とのことです。

 

法曹とは、裁判官、検察官、弁護士のことですが、法学部生で法曹志望は13%なのですね…

しかも、体力的・精神的に負担が大きいから法曹は敬遠される傾向にあるのですね…

そして、企業や公務員が人気になるのですね…

 

司法制度改革により、法曹、特に弁護士を取り巻く状況は激変しました。

訴訟件数など現実的な法的ニーズはあまり変わっていないにもかかわらず、弁護士数が急増したことで、仕事がない弁護士が多くなっています。

中には、弁護士の仕事では食べていけず、登録を取り消す方もいます。

 

このような状況では、法曹の卵といえる法学部生も、法曹を志望しない方がむしろ賢明かもしれません。

仮に、私の身内に法曹志望者がいたとしたら、法曹になることを手放しに勧めることはしないかもしれません。

 

とはいえ、こうしたアンケート結果は、個人的には寂しいものがあります。

 

弁護士という自分の職業に人気がないことも理由の一つですが、それだけではありません。

 

私は、法学部出身ではなく、大学卒業後、公務員として働いていました。その後、一念発起し、法科大学院を経て、弁護士になりました。

弁護士の仕事の負担、自分の能力、経済事情など、様々な不安やリスクがある中で、自分を律してきたつもりです。

こうした不安やリスクを乗り越えてきたからこそ、今、弁護士として何とか働けているのだと思います。

 

今時の法学部生の多くは、不安やリスクの先にある弁護士を初めから目指すことすらしないのでしょう。

賢明といえば賢明ですが、やはり寂しいものを感じます。

 

訴訟をするのにかかった弁護士費用は誰が負担する?

弁護士の櫻田です。

 

今回は、訴訟をするのにかかった弁護士費用の負担の話です。

 

弁護士に訴訟の代理人を依頼するとき、弁護士費用(着手金や報酬金)がかかります。

 

このとき、訴訟に対応しなければならなくなったのは相手方のせいなので、弁護士費用も相手方に請求したいと考えるかもしれません(むしろ、このように考える方が多い印象です)。

 

では、仮に訴訟に勝ったとして、自分が依頼した弁護士の費用を相手方に請求することはできるのでしょうか?

 

答えは、残念ながら、原則として、勝訴したとしても、敗訴した相手方に自分が依頼した弁護士の弁護士費用を支払ってもらうことはできません。

訴訟の勝敗にかかわらず、自分が依頼した弁護士の弁護士費用は自分で負担するのが大原則です。

 

なお、勝訴した場合、判決の主文に、「訴訟費用は●●(相手方)の負担とする」と判示されることがあります。

誤解してはいけないのが、ここでいう「訴訟費用」には弁護士費用は含まれません。「訴訟費用」とは、収入印紙等の訴訟にかかった実費などのことをいいます。

ちなみに、この訴訟費用の金額を確定させるためには、別途、訴訟費用額確定処分の申立てという手続が必要です(この手続までする方は少ないのではないでしょうか)。

 

以上のとおり、弁護士費用は自己負担であるのが原則ですが、例外もいくつかあります。

 

例外として代表的なものは、不法行為による損害賠償請求をする場合です。

 

不法行為とは、交通事故案件のように、契約関係のない関係において、自動車を運転して人をひくような違法な行為によって、相手方に損害を生じさせることです。加害者の不法行為によって損害を被った被害者は、加害者に対してその損害を賠償することを請求できるのです。

 

そして、損害賠償請求をした被害者が勝訴した場合、弁護士費用についても加害者に請求することができるというのが判例の考えです。

ただ、交通事故案件の場合、請求できる弁護士費用は、認容された損害賠償額の10%程度が上限になることが多いです。

 

では、今回はこの辺で。

 

判決・和解後の処理

弁護士の櫻田です。

 

今年も折り返し地点を経過しましたね。人生はあっという間です。

 

私は、訴訟では、原告側の代理人となることが多いです。

請求の内容としては、金銭の支払いや、不動産の明渡しの案件がほとんどです。

 

被告側は、代理人を依頼したり本人で対応したりと区々ですが、双方、主張・立証を尽くした後は、裁判官から判決を言い渡されます。また、訴訟の中で、裁判官の指揮の下、和解をすることがあります。

 

原告の請求が全部又は一部認められる内容(「●●万円を支払え」とか「●●の建物を明け渡せ」といったものです)の判決が言い渡されたり、和解が成立したりすると、当然、被告側にはその内容を履行してもらう必要があります。

不要かとも思いますが、原告側の代理人としては、判決や和解の後、被告側に対して、その内容通りの請求や通知をすることもあります。

 

しかし、近頃、判決や和解通りに、支払いや明渡しをしない被告がとても多い。

本人対応で、訴訟の期日にも出頭せず、初めから訴訟を無視したような対応をしていたのであれば、まだ分からないことはないです。

そうではなく、代理人を依頼し、または自分で出頭して、主張や証拠を出し尽くした上での判決や和解でも、その内容を履行しないことが多いのです。

 

判決内容に不服があれば、控訴をすればいいと思いますが、なぜか控訴もしない。

和解の内容を履行しないのは、さらに理解不能です。裁判官の面前で約束したことを守らないのです。守らないなら、履行できないなら、そのような約束はしないでほしいものです。

 

判決や和解が履行されないとすると、判決や裁判上の和解には執行力がありますから、原告代理人としては、次のステップとして、強制執行の申立てを検討することになります。

制度上は、強制執行をして、それが奏功すれば、原告側の満足は図ることができるわけですが、強制執行をするにもさらに費用がかかるなど、ご本人の負担が増えてしまいます。

 

原告代理人としても、本当に釈然としないところです。

けど、繰り返しますが、判決や和解の内容が履行されないことは、残念ながらとても多い。

 

逆に、被告側の代理人となる場合は、これからも、判決や和解で義務を負うのであれば、その内容が履行されるよう指導したいと思います。

 

主張責任と立証責任

弁護士の櫻田です。

 

退屈かもしれませんが、たまには教室事例的なお話を。

 

「裁判は証拠で決まる」

世間でよく言われていることでしょう。

 

民事訴訟では、裁判官が判決の基礎となる事実を認定する際、当事者の主張に食い違いがあると、証拠によってどちらの主張が事実であるかを判断することになります。

 

その際、「立証責任」や、これに付随して、「主張責任」というキーワードがあります。

 

立証責任とは、訴訟上、ある要件事実の存在が真偽不明に終わったために当該法律効果の発生が認められないという一方当事者が負うべき不利益のことをいいます。

 

他方、主張責任とは、ある法律効果の発生要件に該当する事実が主張されないことによって、当該法律効果の発生が認められないという一方当事者の不利益のことをいいます。

 

分かり難いかと思いますので、具体的な事例で考えてみましょう。

 

【Aさんの言い分】

私は、平成291210日、Bさんに対して、代金500万円で土地を売ったが、代金の支払いがない。500万円を支払ってもらいたい。

【Bさんの言い分】

Aさんから土地を買ったことに間違いはないが、平成291215日に、代金の500万円を支払っている。

【訴訟の内容】

Aさんは、Bさんに対して、土地の売買代金として500万円の支払いを求めた。

 

まずは、主張責任についての説明です。

上記事例における訴訟で、Aさんは、500万円の請求をする原因として、日時や代金等を特定した上で、Bさんに対して、土地を売却した事実を主張しなければなりません。

この主張がされないと、500万円の請求権という法律効果が発生せず、Aさんの主張が認められないことになります。

ここでは、Aさんに、土地を売買したことの主張責任が課せられていることになります。

他方、Bさんとしては、Aさんに500万円を支払ったということですから、この言い分が事実であれば、Aさんの請求には理由がないことになります。

Bさんとしては、500万円を支払ったという事実を主張する必要があり、この点についてBさんに主張責任があります。

 

次に、立証責任についてです。

土地を500万円で売買したことについて、AさんとBさんとの間に争いはありません。したがって、この点については、特に証拠によることなく、判決の基礎となる事実として認定されることになります。

仮に、Bさんが、売買をしたこと自体争う場合には、Aさんは、売買契約書等の証拠を提出して、売買があった事実を立証しなければなりません。この立証ができないと、500万円の請求権の根拠となる売買の事実が認められないことになり、Aさんは立証責任を果たせず、その請求は認められないことになります。

他方、Bさんは、500万円を支払ったと主張しています(これを「抗弁」といいます)が、そうであれば、Aさんとしては500万円の請求などしないでしょうから、この事実は争うでしょう。

そこで、Bさんとしては、500万円を支払ったことの証拠(振込書、領収証等)を提出して、その事実を立証しなければなりません。この立証ができないと、500万円を支払ったという事実が認められないことになり、Bさんは立証責任を果たせず、Aさんの請求が認められてしまうことになります。


ただ、実務上は、法律要件分類説に基づいて、厳格に訴訟指揮がなされているわけでもないです。たまに、こちらに立証責任がない事実について、裁判官から証拠提出を求められることもあります。原則論を貫いてそういった求めを断ることもありますが、変に悪い心証を抱かれてもいけないので、特に不利なものでなければ、応じることが多いでしょうか。


では。



プロフィール

レアール法律事務所

レアール法律事務所
〒101-0026
東京都千代田区神田佐久間河岸85
財津ビル4F
TEL 03-5892-8900
FAX 03-5825-2602

ホームページ


最寄駅
秋葉原駅・岩本町駅・浅草橋駅

道案内


g_banner


.
QRコード
QRコード