秋葉原にあるアットホームな法律事務所(弁護士事務所)です。
所長弁護士の櫻田真也が、日々の出来事・雑感、コラム、食レポなどを記します。

弁護士の櫻田です。

 

標題の件、いろいろな場面がありますが、一般論としては、ほとんどの方が理解されていると思います。

特に、金銭等の支払義務がある債務者の場合、債権者に、勤務先や預金口座等の情報が明らかになると、債務名義を取得された後、給与や預金などが差し押さえられてしまうおそれがあります。

 

債務名義が取得されれば、弁済をしなければならないのは当然で、民事執行法には財産開示の制度もありますので、弁済逃れのようなことをするのは控えるべきとの意見もあるかもしれません。

しかし、少なくとも、弁護士として、債務者の代理人となる場合は、その債務者の財産状況を債権者に知られないよう細心の注意を払うべきだと思います。債務者本人が弁済をする意思があり、弁済をする資力がある場合でも、ただ弁済をすればいいだけで、わざわざご丁寧に財産状況まで開示する必要はないのです。

 

ところが、以前受任した訴訟案件で、相手方が債務者にもかかわらず、証拠で、複数の相手方名義の預金通帳を開示してきました。金融機関名、支店名、口座番号、口座名義にはマスキングがなく、判決が取れれば、預金差押えが可能になるものです。

相手方としては、債権者である依頼者に一部弁済をしたという立証に必要だと考えたのでしょう。ただ、一部弁済があったことは債権者である当方も否認するものではないので、わざわざ預金通帳まで示す必要はなかったでしょう。

 

相手方には代理人が就いていましたが、預金通帳を開示する当否を検討しなかったのでしょうか。

勘繰ると、預金差押えをされても、その口座には預金を残しておかないから、やれるものならやってみろという開き直りがあったのかもしれません。弁護士があえて開示したのであれば、この可能性は高いのではないかと思います。

ただ、証拠提出時の残高は多少ありますし、頻繁に取引をしている口座に思われるので、何も考えず、単純に、一部弁済の立証のために開示した可能性も否定できません。

 

結果として、この案件では強制執行をせずに済みましたが、どう考えても、預金通帳を開示する必要はなかったでしょう。

私が逆の立場だったら、まず一部弁済の主張をして、相手方の認否を待ちます。いきなり預金通帳を開示することはしませんね。

 

財産内容はみだりに開示しないこと。訴訟に限らず、日常生活も含めて、鉄則だと思います。

 

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