弁護士の櫻田です。

 

報道によると、

730日の法科大学院等特別委員会において、東大・京大など全国38大学の法学部に在籍する14年生までの学生を対象に文科省と法務省が実施した「法曹志望に関するアンケート」の調査結果が報告された。

●将来の第一志望の職業は?

①国内企業:27.5%

②地方公務員:24.4%

③国家公務員:16.3%

④法曹等:13.2%

●法曹等を志望する人の不安や迷いは?

①司法試験に合格できるか、自分の能力に自信がない:64.0%

②自分に法曹等としての適性があるか分からない:43.1%

③他の進路(例えば国家公務員や民間企業、研究職等)にも魅力を感じている:37.0%

④大学卒業後、法科大学院修了までの経済的な負担が大きい:27.9%

●法曹等の仕事に魅力を感じない理由は?

①体力的・精神的に負担が大きい仕事だと思うから:58.4%

②訴訟対応が仕事の中心で活躍の場が限られている仕事だと思うから:24.3%

③ワークライフバランスの実現が困難であると思うから:20.7%

④経済的に安定していないと思うから:11.0%

とのことです。

 

法曹とは、裁判官、検察官、弁護士のことですが、法学部生で法曹志望は13%なのですね…

しかも、体力的・精神的に負担が大きいから法曹は敬遠される傾向にあるのですね…

そして、企業や公務員が人気になるのですね…

 

司法制度改革により、法曹、特に弁護士を取り巻く状況は激変しました。

訴訟件数など現実的な法的ニーズはあまり変わっていないにもかかわらず、弁護士数が急増したことで、仕事がない弁護士が多くなっています。

中には、弁護士の仕事では食べていけず、登録を取り消す方もいます。

 

このような状況では、法曹の卵といえる法学部生も、法曹を志望しない方がむしろ賢明かもしれません。

仮に、私の身内に法曹志望者がいたとしたら、法曹になることを手放しに勧めることはしないかもしれません。

 

とはいえ、こうしたアンケート結果は、個人的には寂しいものがあります。

 

弁護士という自分の職業に人気がないことも理由の一つですが、それだけではありません。

 

私は、法学部出身ではなく、大学卒業後、公務員として働いていました。その後、一念発起し、法科大学院を経て、弁護士になりました。

弁護士の仕事の負担、自分の能力、経済事情など、様々な不安やリスクがある中で、自分を律してきたつもりです。

こうした不安やリスクを乗り越えてきたからこそ、今、弁護士として何とか働けているのだと思います。

 

今時の法学部生の多くは、不安やリスクの先にある弁護士を初めから目指すことすらしないのでしょう。

賢明といえば賢明ですが、やはり寂しいものを感じます。