秋葉原にあるアットホームな法律事務所(弁護士事務所)です。
所長弁護士の櫻田真也が、日々の出来事・雑感、コラム、食レポなどを記します。

弁護士の櫻田です。

 

先日、国会で佐川氏の証人喚問があり、大きなニュースになっていました。

国会の証人喚問は、憲法に基づく議院証言法を根拠とするもので、国会の各議院の権能とされています。

 

これに対し、私など弁護士も、訴訟などの裁判で、証拠調べとして、当事者本人や証人の尋問を行うことがあります。

 

一般の方からすると、テレビドラマなどのイメージから、裁判では常に尋問が行われ、法廷でドラマティックなやり取りがなされているものと想像されがちかと思いますが、現実の裁判はそういうわけではありません。

 

確かに、刑事事件では、少なくとも被告人本人に対する質問はありますので、傍聴をしても、それなりに見所はあるかと思います。

 

しかし、民事事件では、尋問が実施される事件の方が圧倒的に少ないです。

訴訟の審理は口頭弁論が建前となっていますが、実際は、期日までに書面や書証(証拠)が提出され、それを形式上陳述するという運用がされています。法廷での期日の多くは、提出された書面や書証の確認という意味合いが大きくなっています。

このような書面や書証により裁判官の心証が形成されることが多いことに加え、当事者双方が歩み寄って和解で終結する事件もとても多いです。

また、尋問を実施すると、事件にもよりますが、半日程度費やしてしまうことはざらにありますので、裁判所としても、尋問を実施するかどうかは必要性を吟味した上で決定することになります。

こうしたことから、民事事件では、尋問まで事件がもつれることは少ないのです。私の経験上も、民事事件で尋問までする割合は低いです。

 

民事事件で尋問をする場合、主尋問と反対尋問があります。

主尋問はその人の尋問を請求した側がする尋問で、反対尋問はその逆になります。

主尋問は、尋問をする弁護士と尋問をされる当事者や証人の利害関係が一致していることが多く、また、尋問前に打合せなどができるので、本番の段取りが組みやすいものです。事前に、想定問答などを用意して、練習することも多いでしょう。

反対尋問は、まったく逆で、相手方の当事者や証人に対して尋問をするものです。また、主尋問での内容を踏まえて尋問しなければならないので、現場対応をしなければならないことが多いです。

弁護士としては、主尋問は事前の綿密な準備が必要となり、反対尋問は現場での臨機応変な対応が必要となります。どちらも大変ですが、主尋問の方がやりやすいという意見が多いかと思います。

 

尋問では、誤導尋問、誘導尋問、侮辱・困惑させる質問など、禁止される質問があります。

こうした尋問がなされると、相手方は異議を申し立てることができます。

テレビドラマなどで、「異議あり!」などと弁護士が言う場面がありますが、この禁止事項に対する異議のことです。

この異議も、実際の尋問では、テレビドラマほど頻繁に飛び交うものではないです。

私も異議を申し立てることはありますが、異議を述べる際は、その理由も述べる必要があるので、相当頭の回転を速くしていないといけません。ボーっとしていると、既に受け答えがなされ、異議の意味がなってしまいます。

まぁ、尋問をする弁護士も、禁止事項は熟知しているので、おいそれと異議を受けるような質問はせず、そういう意味からも、異議を出すことは少ないといえます。

 

先日の佐川氏の証人喚問でもあれこれ言われていることですが、尋問をする意味は、その証言を審理に必要な証拠とする点にあります。

証拠とは、純然たる事実です。感情等を含めた評価ではありません。

先日の証人喚問の様子を見て、改めてそう感じました。

 

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