弁護士の櫻田です。

 

相談を受けたり、事件を処理したりしていると、

①依頼者から、他人に名義を貸してローン契約をしてしまった

②相手方から、自分は名義を貸しただけなので責任はない

といった話や反論を受けたりします。

稀な話ではなく、残念ながら頻繁にあることです。

 

名義貸しの経緯として、騙されたとか、強迫されたなどということがあれば、

法律構成上は、名義を貸した人の責任が否定される可能性もないとは言えません。

しかし、詐欺や強迫の証明はなかなか難しく、訴訟などで立証するのは骨が折れます。

 

詐欺や強迫のケースでもこうなのですから、自らの真意で名義を貸した場合には、

発生したトラブルの結果について責任を免れることはほぼ不可能です。

 

結局、

①名義を貸した依頼者は、ローン契約の債務者として返済義務を負担する

②名義を貸しただけだから責任はないという相手方の反論は通らない

ということになります。

 

さらに、名義貸しの責任は民事上のものにとどまらないこともあります。

事情によっては、詐欺罪等の刑事処罰を受けることもあり得ます。

 

言わずもがなですが、名義貸しは絶対にダメです。

確かに、トラブルがなければ、実害は発生しないかもしれません。

しかし、名義の貸し借りをしなければならない状況というのが、そもそも通常ではありません。

むしろ、名義の貸し借りをしなければならない事情がある以上、後日、トラブルが発生するものと考えるべきです。

 

名義貸しの事実があっても、相手方であれば、責任追及の手を緩めるわけにはいきません。

依頼者であれば、可能な限り弁護はしますが、なかなか責任ゼロという結果にはなりません。

 

自分のため、大切な周りの人のために、安易に名義貸しをするのはやめましょう。