秋葉原にあるアットホームな法律事務所(弁護士事務所)です。
所長弁護士の櫻田真也が、日々の出来事・雑感、コラム、食レポなどを記します。

弁護士の櫻田です。

 

もう8月も終わりですね。

 

今回は、原告側の代理人をしていた訴訟案件で、法廷での奇妙な体験から。

 

さて、裁判所から特別送達郵便で訴状が届いたという方もいらっしゃるかもしれません。

その郵便物の中には、訴状一式のほか、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状という書面が同封されているはずです。

 

基本的には、その書面を熟読して、然るべき対応をしてください。
内容がよく理解できなかったり、自分では対応ができなかったりする場合は、速やかに、弁護士などに相談をすることをお勧めします。

対応の概要としては、①訴状の主張に対する認否や反論などを内容とする答弁書を作成して期日の1週間前までに提出すること、②認否や反論を証明する証拠を準備すること、③指定された期日に出頭することなどです。

 

中でも、取り急ぎ、一番重要なのは、①答弁書の提出です。

請求棄却を求める答弁書(認否等は追ってする)を提出しておけば、第1回期日に出頭できなかったとしても、直ちに弁論は終結とならず、第2回期日以降に続行されることが通常です。

通常、期日は1ヶ月程度先に指定されるので、具体的な対応を検討・準備できる時間を得ることができます。このように、欠席しても、答弁書が陳述されたものとみなされることを「陳述擬制」(民事訴訟法158条)といいます。

 

最悪なのは、答弁書を提出せず、出頭もしないことです。

そうすると、「自白擬制」といって、相手方の主張を争うことを明らかにしなかったとして、自白、すなわち、相手方の主張を認めたものとみなされてしまいます(民事訴訟法159条)。

自白擬制になると、弁論は終結し、早いと12週間くらいの間に、原告の主張通りの判決が言い渡されることになります。

原告の請求を認容する判決が出ると、原告は、判決に従って、強制的に請求内容を実現すること(強制執行)が可能になります。

 

以上を前提に、話を戻します。

私は、原告代理人として訴訟を提起し、指定された第1回期日に出廷しました。訴状が被告に到達された後も、被告からは何の連絡もなく、答弁書の提出もありませんでした。当然、被告に代理人が就いたという連絡もありませんでした。なので、被告欠席により、第1回期日で終結と思っていました。

 

期日では、案の定、被告は欠席。
しかし、裁判官から、「実は、被告から裁判所に書面が提出されています」と言われました。

私は、被告から書面は受け取っていませんし、裁判所からも送付を受けていなかったので、どうしたことだと思っていると、裁判官は、続けて、「裁判所としては、先生にご覧いただく必要すらないと判断して、送付しませんでした」とのこと。

そして、事実上、被告から提出された書面を見せてくれました。

その書面は、手書きで数行の文章が記載されていましたが、如何せん、字が汚すぎて、何が書いてあるかほぼ解読不能でした。宛先として何らかの名字が書いてあると思われるですが、どう解釈しても、その宛ては原告でも裁判所でもありませんでした。しかも、その書面は、広告チラシの裏面に書かれたもの…。

裁判官と顔を見合わせて、苦笑いするしかなかったです。

しかし、被告は何を言いたかったのか…。

 

手続としては、被告からの書面は答弁書の体をなしていないということで、弁論は終結となりました。原告側としては、あとは、判決言渡しまで、弁論再開の申立てなどしてくれるなと思うばかりです。

 

しかし、書面を提出したのに、答弁書として扱われなかったという事態を始めて目の当たりにしました。

相手方が本人対応だと、けっこう予測不能なことが起こるので、新鮮ですが、この件はかなり奇妙なものでした。

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット