弁護士の櫻田です。

 

あっという間に6月も終わり。今年もあと半分になりましたね。

 

昨今、企業内や官公庁内での勤務など、弁護士の業務の範囲は広がってきていますが、私も含めて、多くの弁護士は、事件処理や手続の依頼を受けることで、個別の仕事が始まります。

 

弁護士の依頼者との間の契約関係は、委任(もしくは準委任)契約に基づくものです。

委任契約は、民法643条以下に、一般事項の規律がなされています。

 

委任契約においては、受任者(代理人)が行った行為の効果は本人に帰属しますが、行う行為自体は、受任された事項の範囲内で、受任者が決定・遂行することになります。

また、委任契約は、双方、いつでもその解除をすることができます(民法6511項)。

 

こうした委任契約の基礎にあるのは、言うまでもなく、「信頼関係」です。

依頼者は、依頼をする弁護士を信頼するからこそ、事件処理や手続を任せるのです。弁護士に依頼することとなると、通常は、人生に何度かしかない重要・深刻なことが多いと思うので、なおさら、いい加減な人には任せることはできないでしょう。

他方、弁護士も、依頼を受けるからには、依頼者が信頼に足る言動をしてくれることを期待します。嘘ばかりつかれては、到底、安心して職務を遂行していくことはできませんし、場合によっては、依頼者が約束を破って行動をしたことで、受任者である弁護士自身が責任を負ってしまうこともあります。

 

建前はこのくらいにして、弁護士をしていると、依頼者との信頼関係が重要だとつくづく感じます。

 

事件の相手方であっても、弁護士としての品位をもって対応する必要はありますが、それは信頼関係とは程遠いものです。交渉や裁判をやり合うのであるから、主張のぶつかり合いがあるのは当然です。

 

他方、依頼者との関係でいうと、始めから終わりまで、すべて信頼関係を維持しなければなりません。語弊があるかもしれませんが、これは、弁護士にとっても依頼者にとっても、とても大変なことだと思います。

弁護士の立場からすると、人間として誠実な対応をすることは当然として、専門家として、事件の見通しや予想されるメリット・デメリットを説明すること、交渉や裁判を適切に遂行していくことが大事です。逆に、こうしたことを徹底しないと、依頼者からの信頼は得られないと思います。

あとは、委任契約の説明も大事です。当然ですが、特に、弁護士費用は明示しておかないと、依頼者に不意打ちを与えてしまうことになります。

 

大学院や修習生の頃に指導していただいた先生らが、「依頼者との関係が一番大事」とおっしゃっていたことが実体験として理解できます。

 

自分の都合がいいことだけ押し付けて、依頼者からの信頼が得られない弁護士にならないよう、今後とも気を付けていきたいです。