土地の所有者(法人)様からのご依頼。借地人(建物所有者)から借地権譲渡及び建替えの承諾を要求されましたが、条件が折り合わず、裁判(借地非訟)になりました。条件面の交渉は平行線のままで、依頼者様としては、自ら借地権と建物を譲り受けたいと考えるようになり、介入権を行使し、結果、譲り受けることができました。


【ご依頼前の状況】

都心部に土地を所有する地主様(法人)からのご依頼でした。

長年借地契約を締結している相手方から、建物と共に借地権を譲渡して、譲渡先で建物をビルに建て替えたいので承諾をしてほしいという要求がありました。しかし、依頼者様は、借地の利用形態について確固たる方針を持っていて、譲渡先の土地利用方法では、その方針に反することになりました。そこで、相手方からの要求を数年にわたって拒絶していました。

そうしたところ、相手方にも代理人が就いたことから、当職に相談され、交渉等について受任をすることになりました。

なお、条件が合わなければ、土地を自己利用したいとの考えもあったので、裁判(借地非訟)になった場合の介入権の行使についても予め説明をしました。

【ご依頼後の状況】

相手方代理人に当方の条件等を伝えたところ、交渉の余地なしと考えたのか、相手方は、直ちに、借地権譲渡及び建替えについて、地主の承諾に代わる決定を求めて、裁判所に申立てをしました。

裁判の中では、改めて、当方の条件を主張しましたが、その条件が成就されなくとも、一般的には、譲渡・建替えについて地主に特段の不利益が及ぶものではないと考えられたため、承諾に代わる決定が出されてしまうことが見込まれました。そこで、事前に説明をしていたとおり、介入権を行使して、自ら借地権及び建物を譲り受ける方針に転換しました。

介入権行使後、まずは、不動産会社の査定金額を示すなどして譲受対価の交渉をしましたが、なかなか折り合いが付かず、鑑定委員会が設置されました。そして、鑑定委員会による現地調査等を経て、譲受対価等の鑑定結果が出されました。

地価情勢から、事前の見積りよりも鑑定による金額はやや上昇してしまいましたが、何とか依頼者様の予算の範囲に収まるものでした。結果、依頼者様は、鑑定価格により借地権及び建物を譲り受けることができました。


【コメント】

最大の懸案点は、借地権の価格でした(建物は古く価値はありませんでした)。都心部の土地で地価が上昇傾向にあったことから、鑑定価格が予想よりも高くなってしまいましたが、介入権を行使した結果、借地権を譲り受けることができ、土地の自己利用が可能となりました。対価分の収益は容易に回収することが予想され、また、土地利用の方針にも反する事態とはならなかったため、ご満足いただくことができました。