秋葉原にあるアットホームな法律事務所(弁護士事務所)です。
所長弁護士の櫻田真也が、日々の出来事・雑感、コラム、食レポなどを記します。


弁護士の櫻田です。

月初の決まり文句ですが、もう9月ですね。
今年も、はや3分の2が経過してしまいました。季節の流れに目がくらみそうです。

さて、今回の話題は、最近の訴訟事件から。

とある給付請求事件で、被告は2名。私は原告の代理人でした。
訴訟は滞りなく進み、被告1名は何の答弁もしなかったので、この被告との関係では、すぐに終結。残りの被告1名との間の訴訟が係属して、終結も見込まれた頃のことでした。
突然、依頼者のお子さんから連絡があり、ご本人が亡くなったとのこと。ご高齢の方で、実務的なやり取りはお子さんを通じてしていましたが、まずは大変驚きました。
依頼者にお悼み申し上げるともに、次回期日(終結予定)も近かったので、代理人としては、訴訟の調整をしなければなりません。

さて、訴訟係属中に当事者が死亡すると、その訴訟はどうなるでしょうか?

まず、実体的な法律関係でいうと、自然人が死亡すると、相続が生じ、相続人は、その自然人(被相続人)の財産に関する一切の権利義務を承継します(民法882、896)。

次に、訴訟手続上、相続人は、訴訟当事者の地位も承継することになります(民事訴訟法124Ⅰ①)が、訴訟中断するかどうかは、訴訟代理人の有無で異なります。
訴訟代理人がいない場合、訴訟手続は中断します(民事訴訟法124Ⅰ①)。相続人等の受継者による受継の手続が必要になります。
訴訟代理人がいる場合、訴訟手続は中断しません(民事訴訟法124Ⅱ)。判例上、訴訟代理人は、相続人ら承継人の代理人となり、当事者が死亡した旨を裁判所に申告しなければなりません。

本件は、私が訴訟代理人でしたので、訴訟手続は中断せず、依頼者の相続人であるお子さんらの代理人として訴訟手続を続けることになりました。
ただ、手続がかなり煩雑でした。

まず、実体的な問題として、依頼者の相続人は5人いらっしゃいました。正式な遺産分割は相当先にする予定でした。ですので、早期に、訴訟上の対応をするには、本件の給付請求を根拠付ける財産は法定相続分の割合で共有状態にあるとして、相続人全員の代理人となる必要がありました。幸い、本件財産については、特に相続に関連する争点はなく、相続人全員から委任状をいただくことができました。

次に、手続的なこととして、裁判所に提出する資料の取得です。少なくとも、被相続人の出生から死亡までが確認できる戸籍(法定相続人が特定できるもの)が必要でした。この取得がなかなか大変です。依頼者は高齢の女性で、自身の婚姻に伴う本籍の異動、戸籍の改製のほか、養子縁組等の関係もありましたので、相当の通数になってしまいした。

こうして、実体関係を調整し、資料を揃え、代理人として受継の申立をして、審理は継続し、無事、終結しました。
相手方は本人対応で、法的に有効な反論もなく、訴訟の結果には問題がありませんでしたが、とにかく手続が大変でした。しかも、依頼者が亡くなったのが終結間近だったので、何とも言えない思いもありますが、弁護士としてはいい勉強をさせていただきました。
終結時、裁判官からは、「大変御苦労様でした」と労いの声をかけていただきました。

では、今月もよろしくお願いいたします。

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